ネトネトいわせて

ただただ日記。タイトルどおりの感じの話です。


とっつーのエッセイ連載が始まってから毎号ダ・ヴィンチを買うようになったんですが、8月号の目玉特集のひとつにフジファブリックがありました。
手に取ってから半月ほど経った今日、ようやくその記事に目を通すことができました。そうしたら、今日なら見られるかもしれないなあと思えて、これもやっとか封を開けることにしました。フジフジ富士Qのブルーレイディスク。開催から4年、発売からは3年越しです。あっためすぎですね…。
フジファブリックは2004年にメジャーデビューし、今年で10周年を迎えるロックバンドです。
私が初めて聴いた彼らの楽曲は2005年リリースの「虹」でした。当時のバイト先の有線から毎日流れていたこの曲、どっかいなたいのに軽快で、でも妙にボーカルやキーボードが湿っぽくて、でもでも階段を駆け上がっていくように音を高めていくギターには心躍るものがあって、このバンドなんだろう?って気になったのがきっかけです。
そこからシングル買って、過去作買って、2ndアルバム買ってやっぱりへんてこだけど癖になるなって新鮮な感動があって、翌年には初めてのライブに足を運びました。うちわもペンラも持たず、振り付けもない状況ってどうしたら…とジャニオタはとまどいながらも不確かな道探して、ためらいがちに縦ノリのようなものをしていたことを思い出します。
そこから少しずつ半券の数も増えていきました。CDでは地声だったけどこの公演ではファルセットで歌うんだとか、間奏で入れてきたアドリブがかっこいい!とか、好きな曲で身体を動かすのって気持ちいいんだなあとか、自分なりのライブの楽しみ方をフジに教えてもらった気がします。
作詞作曲の大半を担っていたボーカル・ギターの志村さんが急逝してからもうすぐ5年が経とうとしています。
気持ちの整理なんか全然ついてないけどこれは絶対行かなきゃダメだ、と思いチケット買って行ったのがフジフジ富士Qでした。
2010年7月に富士急ハイランド・コニファーフォレスト内で行われたフジ主催のフェス型イベントで、その会場は学生時代の志村さんが雑木林と警備の目をかいくぐって潜入・目撃し、衝撃を受け、音楽の道を志すきっかけとなったライブでも使われていた、ゆかりの深い場所でした。(ちなみにそのあとちゃんと捕まったというオチがある)
フェス的なものも遠征もこれが初めてだったから、この夏はとても目まぐるしかった。日帰りなので富士急で遊ぶなんてことも、志村さんの故郷富士吉田観光なんてこともかなわずほんとに行って見て帰ってくるだけだったけど、背負ってたリュックの重さとか、着いてすぐ飲んだビールの味とか、曇天からの快晴、お目見えする富士山、茜色に染まる空、暗くなって浮かび上がる三日月の美しさ。忘れたくないことばっかりです。
ブルーレイディスクの映像に収められた情景はすごくクリアで、あの夏の熱気がそのまま詰まっていました。
あまりにまんまだったので、いろんなものが巻き戻ってしまいました。
やっぱり20代も30代もその先も、ずっと志村さんに新鮮な景色を見せ続けてもらいたかったなあ。
あれからいろんなライブやコンサートにも行くようになった。遠征の荷物も減らせるようになった。フジの鳴らす音楽はいつだってフジで、3人も私も志村さんの年を追い越してしまった。なのにどっかで、でもでもだってね、って。いやしかし何故に、って、踏み切れないでいる自分がいます。

まとまりのないお話ですみません。これまでずっと止まったままでいたので、たとえ方向が後ろ向きでも、たどって文字にしてみようと思えたのはなにかの変化かもしれないので、書き残すことにしました。


フジQのセットリストで個人的に一番好きなのはスカパラとコラボした「Surfer King」です。「フフフ…」の後ろで鳴ってるホーンの音が寄せては返す波。聴いててすごい心地いい。